議会活動

平成27年9月定例会議

平成27年9月定例会一般質問

(1)成田空港3本目滑走路の推進をはじめとした空港機能の拡充について

  ① 首都圏空港としての成田の位置づけと機能拡充、今後求められる政策展開は

  ② 3本目滑走路の推進について

  ③ 夜間飛行制限の緩和について

  ④ B滑走路延伸の推進について

  ⑤ 騒音対策について

  ⑥ IRにおける市の見解について

(2)医学部新設について

  ① 医学部の目指すべき姿は

  ② 今後のスケジュール感について

  ③ 医学部新設における経済効果の見込みについて

  ④ 医学部新設に伴う費用負担について

  ⑤ その他規制改革項目などにおける進捗状況について

 

一般質問の内容

それでは、成田市議会会議規則62条2項の規定により、議長に対し通告し、受理された内容のとおり質問させていただきます。今回は2項目、成田空港政策、そして医学部の誘致、また、医学部の新設についてであります。

(1)成田空港3本目滑走路の推進をはじめとした空港機能の拡充について

それでは、空港政策について伺います。

 成田・羽田の首都圏空港の運用状況、こちらに目を向けると、2014年春からの羽田空港国際線増便により、成田・羽田の首都圏空港を乗り継いで海外へ渡航する需要が拡大した一方で、韓国仁川空港での乗り継ぎが減少していることに気づきました。地方発の国際線利用者の一部が、仁川空港乗り継ぎ利用から羽田空港乗り継ぎにシフトしていると判断することができ、首都圏空港としてアジアに台頭したという事実は歓迎すべきことだと思います。

 ですが、国際線旅客数では、成田空港と羽田空港を合わせても遠く仁川空港には旅客数も伸び率も及びません。空港間競争における議論は、どうしても成田対羽田という構図になりがちですが、アジアそして世界に目を向けてみると、日本の航空政策が近隣諸国に頭一つリードされているという事実からも、私たちはその認識に立ち、首都圏空港の成長にも目を向けていかなければならないと考えます。

 アジアの台頭と羽田の国際線枠の増便など、成田はまさに内憂外患を抱えていると考えますが、首都圏空港としての成田の位置づけと機能拡充、今後求められる政策展開についてどのように考えているか伺います。

次に、具体的な政策課題についてそれぞれ伺います。

 まず、成田空港3本目滑走路の推進に向けた動きについてです。

 去る7月31日に、政府・与党である自民党本部において、成田国際空港推進議員連盟の総会が開催され、航空局長から、国としても成田空港の機能拡充を進めなければならないと、第3滑走路の整備が必要である旨の発言がありました。成田第3滑走路実現する会において16万6,116人の署名運動に汗をかいてきた一人として、本年4月の署名提出からこうした動きが出ることは歓迎するものでありますが、同総会に同席されていた市長の見解を伺います。

次に、夜間飛行制限の緩和について伺います。

 成田空港は内陸空港であることから、カーフューが設定されていますが、悪天候など航空会社の努力では対応できないやむを得ない場合には、24時までの時間に限り航空機の離発着を認めるカーフューの弾力的運用が平成25年3月31日から始まりました。

 カーフューの弾力的運用により、各航空会社からは、従前よりは利便性が向上したと仄聞していますが、成田空港圏自治体連絡協議会の勉強会において、航空会社から、さらに、第三滑走路の整備をはじめとする成田国際空港の更なる機能強化の具体化に向けた決議文においても、さらなる夜間飛行制限の緩和、カーフュー緩和を求める声が多くあります。

 22時台の10便規制の撤廃や、国際貨物便の集荷時間の後ろ倒しに必要な23時以降の発着枠の使用を認めるなど、さらなる緩和に向けて検討すべきだと考えますが、見解を伺います。

次に、B滑走路延伸の推進について伺います。

 日本の空港政策における羽田シフトは今さら指摘するまでもありませんが、国際線増枠に伴う成田の減便を初め、アクセス整備など大きく差が開いております。B滑走路については、現在2,500メートルですが、関係者からは、昨今の航空機の技術革新があったとしても、やはり3,200メートル以上が望ましいと伺っております。3本目の滑走路を推進することは歓迎しますが、コスト面、機能面からもB滑走路の延伸をまず検討、推進すべきであると考えますが、見解を伺います。

次に、騒音対策について伺います。

 空港機能拡充の議論を着実に前に進めるためには、空港周辺地域の皆様への配慮は必要不可欠であると考えます。それは航空機騒音であり、落下物対策であります。開港当時は6万回程度であった発着回数も22万8,000回を数えており、技術革新に伴い1機当たりの騒音レベルは減ったとしても、騒音回数はふえていることになります。また、飛行回数がふえたことに伴い、航空機落下物の危険にさらされる可能性が増すことになりますが、移転補償区域は騒防法第2種区域及び第3種区域、騒特法の航空機騒音障害防止特別地区に限られております。

 航空機落下物の解決策は、対象地域の希望移転しかありません。落下物からの危険性をなくすためにも、希望移転区域設定に向けた働きかけが必要であると考えますが、市の見解を伺います。

次に、IRについて伺います。

 第三滑走路の整備をはじめとする成田国際空港の更なる機能強化の具体化に向けた決議文では、IRについても言及されています。これまでも何人かの同僚議員が当該事案について取り上げていますが、成田市は一向に見解を示していません。

 そこで、決議文では、空港機能を向上させながら、IRなど観光魅力を充実させるべく総力を挙げるべきとしていますが、IRにおける成田市の見解を改めて伺います。

 

(2)医学部新設について

次に、大項目の2点目として、医学部新設について伺います。

 来年の開学に向けて現在建設が進められている医療大学に加え、先日、国家戦略特区の一環として、市内での医学部の新設が事実上認められました。

 国のスケジュールによると、医学部の設置者たる大学については、この秋をめどに公募によって決定される運びとなっているようですが、これまでの医学部誘致の経緯、国家戦略特区への共同提案を踏まえると、事実上、国際医療福祉大学になることが明白であることから、それを前提に質問させていただきます。

まず、医学部の目指すべき姿について伺います。

 大学側は、今回の医学部の新設において、国際的に活躍する人材、そして地域医療に貢献する人材育成の両方を掲げていますが、内閣府、文科省、厚生労働省の資料「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」によると、国際医療拠点という表現が前面に出ており、国際的に活躍し得る人材の育成をすることが医学部新設の条件として設定されています。そして、成田市からは、大学誘致による成田市の地域医療への貢献という表現が繰り返されています。

 そこで伺います。

 現在進められている医学部の将来像について、国の方針たる国際医療拠点と大学・成田市の考える地域医療への貢献、これらが相反することはないのか、地域医療への貢献が二の次にされてしまうおそれはないのか、確認の意味を込めて、国際医療福祉大学がどのような医学部を目指しているのか伺うとともに、その規模について伺います。

次に、今後のスケジュール感について2点伺います。

まず、医学部キャンパス設置のスケジュール感についてです。

 市当局の資料によると、国の示したスケジュールにのっとって医学部を開学させるためには、医学部キャンパスの建設を本年の11月に1から2年生棟を着工し、平成29年4月に開学する予定となっています。そもそも医学部新設が決まったのは7月31日であり、11月に着工ということは、わずか3カ月程度で審査をして予算を通過させ、市民の理解を得なければならないということになります。

 国家戦略特区を活用しての医学部新設であることから、成田市としては、最大限国の示すスケジュールに合わせて取り組みたい意向があるかと思いますが、大学と成田市とのかかわり方や今後の大学のあり方、市民への説明など、多額の補助金を支出して誘致する事業だからこそ、極めて慎重に議論しながら丁寧に計画を進めるべきであると考えます。仮に1年延期することができれば、市民にも丁寧に理解を求めていくこともできると考えますが、市の見解を伺います。

次に、附属病院設置のスケジュール感について伺います。

 国際医療福祉大学が現時点で示しているカリキュラムによると、4年次から臨床実習が始まるとされています。現行のスケジュールによると、大学附属病院は平成31年の下半期に竣工、開業予定となっています。その一方で、予定どおりに医学部が平成29年4月に開学すると、1年生が4年次になるのは平成32年4月となります。大学のカリキュラムどおりに4年次から実習の開始となると、附属病院の開業から半年もたたないうちに学生の実習で使用することになります。

 実習を行うためには、開業してからある程度、病院自体が地域から愛され、経験を積む必要があると考えます。何よりも実習に伴う患者がいなければ話になりません。このような現在予定している附属病院設置のスケジュールでは、実習生を受け入れることが極めて難しいのではないかと考えますが、市の見解を伺います。

次に、医学部新設における経済効果の見込みについて伺います。

 現在進捗している医療大学誘致の経済的効果について、着手前の市当局によると、最大で建設時に100億円、直接効果が66億円、大学開設後4年目以降は年間40億円の経済波及効果を見込んでいるとの説明が繰り返されていました。この経済効果の見込みを前提に、議会でも大学誘致を進めてまいりましたが、さきの特別委員会では、実際のところは、その事実関係を確認することはできませんでした。そして、その理由として、スケジュール感が厳しく業者が受け切れなかったとの指摘もありました。

 こうした中、今回の医学部新設における経済効果については、建設時に最大で857億円、開設後6年目以降は年間211億円の経済波及効果が上がる見込みであるとの報告がありました。医療大学同様に、今回の医学部についても開学まで約1年半というかなりタイトなスケジュールが予定されています。その意味では、医療大学建設時と同じ計算式で導き出した当該数字ほどの効果が上がらないのではないかと思料いたしますが、市の見解を伺います。

 また、これらの経済効果の見込みについては千葉県全体のものになりますが、市内の経済効果の還流分については、およそどの程度と考えられているのか伺います。

次に、医学部新設に伴う費用負担について4点伺います。
初めに、医師養成に対する国、県からの補助金についてです。

 医師不足解消の一助となる医学部の誘致においては、成田市だけではなく、近隣市町村はもちろん、千葉県、国にも大きな効果をもたらすものと考えます。その意味においては、成田市だけが誘致事業として多額の補助金を支出するのではなく、関係各所から適切な協力を仰ぐことの必要性を感じます。

 医療大学誘致が実施されるに当たっては、看護師の養成のための補助金を千葉県から3億7,000万円ほど受けますが、今回の医学部設置に際して、同様の補助金制度などを活用することができるのか、医師養成に係る補助金制度があるのかについて伺います。

次に、医学部及び附属病院の設置に対する成田市の補助金について伺います。

 医学部キャンパスの建設に当たっては、およそ160億円かかることが想定されており、その半分である80億円を千葉県と成田市が共同で補助したいとの方針が示されていますが、市は千葉県と補助金額80億円の負担割合をどのような判断基準で折り合いをつけようとしているのか伺います。

次に、附属病院建設に係る成田市に要請されている出資について伺います。

 医学部の新設に際して、成田市は校舎建設の土地を約23億円で購入し、附属病院の土地を4億円で買い足し6億円で造成した上、それぞれの土地を大学へ無償貸与したいとのことであります。

 附属病院にあっては、附属病院建設と管理を目的とした会社を設立し、大学は当該会社より施設を賃借し、その使用料を当該会社が返済に充てるという手法を想定しているとの説明を受けております。

 そこで、そもそもなぜ附属病院の建設に当たっては、このような別会社を設立する必要があるのかについてまず伺います。

 そして、当該会社設立に当たっては、大学側が成田市に20億円出資してほしいとの要請があるとのことですが、この要請に対し市ではどのように考えているのか、現状を伺います。

次に、その他の規制改革項目などにおける進捗状況について2点伺います。
まず、保険外併用療養の規制緩和の進捗についてです。

 医学部誘致は、まさに岩盤規制の改革であると考えますが、成田市が目指す国際医療学園都市構想を現実のものにするためには、保険外併用療養の拡充という規制緩和も必要不可欠ではないかと考えます。この規制緩和が進むことで患者の選択の幅が広がり、新しい医療技術を取り入れやすくなるとされており、特に抗がん剤においては高額なものが多いため、規制緩和の効果が十分に発揮されると考えます。

 そこで、保険外併用療養の拡充の動きについて、現在はどのような状況にあり、今後どのような流れで進められていく予定であるのか伺います。

次に、附属病院での医療ツーリズムの受け入れについてです。

 国は、平成22年6月18日に新成長戦略を閣議決定、その中に国際医療交流として、外国人患者の受け入れ促進を示し、医療ツーリズムの推進に取り組むとされていますが、いまだに受け入れ体制が整っておらず、他国におくれをとっているのが実情ではないでしょうか。

 こうした中、国際医療福祉大学は、海外医療施設での実習など国際性に富んだカリキュラムを展開し、さらには積極的に海外からの教員や留学生を受け入れることで、国際性を取り入れる方針を明言しております。

 この国際医療福祉大学の特性と、成田国際空港を有し多くの訪日外国人が出入りするという成田市の特徴を生かし、今回設置する附属病院を国際医療機関の一つとして、医療ツーリズムの受け入れを行うことが成田市の来訪者をふやし、ひいては経済を活性化させることに大変有効であり、ぜひとも取り入れるべきだと考えますが、見解を伺います。

以上で檀上での質問を終わり、答弁により引き続き再質問させていただきます。

 

◎市長(小泉一成君) それでは、雨宮議員の成田空港3本目滑走路の推進を初めとした空港機能の拡充についてのご質問からお答えをいたします。

 まず、首都圏空港としての成田の位置づけと機能拡充、今後求められる政策展開はとのことでありますが、成田空港周辺9市町で組織する成田空港圏自治体連絡協議会では、今後の成田空港の機能強化の必要性や将来像を議論する場として、昨年11月から本年6月まで4回にわたり勉強会を開催いたしました。この勉強会において、航空会社からは、旅客便における今後のアジア・太平洋地域の航空需要は、新興国の成長を背景に今後とも堅調な伸びが見込まれており、とりわけ需要の伸びが大きい北米・アジア間の三国間流動を取り込んでいくことが本邦航空会社や本邦国際空港の成長の鍵であるとお聞きしております。

 また、国土交通省の航空需要予測によりますと、今後、首都圏空港の国際線需要の大幅な増加が見込まれている一方で、首都圏空港の受け入れ容量につきましては、現状の受け入れ容量75万回をもってしても2020年代には限界に達する見込みとのことであり、欧米の主要空港では、年間発着回数が100万回を超えているところもあることから、首都圏空港のさらなる容量拡大の検討が必要であるとのことであります。

 これまでの4回の勉強会を踏まえ、旺盛な航空需要から成田空港の機能強化が必要であることにつきましては、成田空港圏自治体連絡協議会の認識として一致しており、私といたしましても、各国の空港の受け入れ能力の飛躍的向上の動きから、成田空港と羽田空港は、それぞれの強みを生かし、首都圏空港として両空港が一体となって成長していく必要があると考えております。

 一方、空港会社では、成田空港の強みである北米を初めとする豊富な航空ネットワークや貨物のゲートウエイ機能、近年のLCCの新規参入を生かし、アジアを中心とする旺盛な訪日需要に加え、乗り継ぎ需要等を獲得するとともに、国内線のさらなる充実も図っていくとのことであります。

 本市といたしましても、成田空港の機能拡充につきましては、今後も増大すると見込まれる航空需要に応えることが可能となり、国際競争力の強化や空港利用者の利便性向上につながるだけでなく、成田空港への人や物の流れがさらに活発になることで、空港周辺地域への新たな企業の進出などにより、地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域経済の発展にも大きな効果をもたらすものと期待しておりますことから、今後、成田空港の機能強化策について四者協議会の中で、国、県、空港周辺市町及び空港会社が一体となって協議、協力していくべきであると考えております。

 次に、第3滑走路の整備に対する見解についてでありますが、本年7月31日に開催された自由民主党成田国際空港推進議員連盟総会におきまして、国、千葉県、本市、芝山町及び空港会社が同席のもと、第3滑走路の整備を初めとする成田空港のさらなる機能強化についての意見交換が行われました。総会の席上、成田空港のさらなる機能強化の必要性が問われ、国土交通省航空局長から「我が国の将来を見据えれば、国として第3滑走路の整備など成田空港のさらなる機能強化は必要不可欠であり、広く地域社会の理解を得ながら進めることが求められている。まずは、成田空港のさらなる機能強化の具体化に向けて、空港周辺自治体や空港会社と協議していく必要があるため、千葉県に、成田空港に関する四者協議会の開催を求める」との発言がありました。千葉県からは、「国策としての第3滑走路の必要性は県としても理解しており、航空局長の要請を踏まえ、整備にあたり様々な課題を詰めていく必要があるが、できる限り協力していく。しかしながら、成田空港は大規模な内陸空港であり、騒音地域では航空機騒音や落下物の不安とともに日々の生活を余儀なくされている方々がいることや、成田空港建設に係る経緯から、国、空港会社においては、地域との信頼関係を損なわないよう、引き続き真摯な対応と丁寧な説明をお願いする」との発言がありました。

 私も発言の機会をいただき、空港の機能強化にあたりましては、騒音地域にお住まいの方々の理解を得ることが肝要であることを前提とした上で、空港機能強化は最大の地方創生であると思っていることなどを申し上げました。

 これらの意見を踏まえ、同議員連盟が総会において第三滑走路の整備をはじめとする成田空港の更なる機能強化の具体化に向けた決議をし、8月3日に同議員連盟から、成田空港の機能強化や国、県、空港周辺市町及び空港会社による四者協議会の早期開催などを求める決議文が太田国土交通大臣と森田知事に提出されたところであります。その後、8月25日に開催された成田空港圏自治体連絡協議会においても、成田空港に関する四者協議会の開催を県に要望し、これを受け、県では現在四者協議会の開催の準備を行っているところであります。

 本市といたしましても、騒音地域にお住まいの方々の理解を得ることが肝要であることを前提に、成田空港のさらなる機能強化の方策の一つとして、第3滑走路の整備について四者協議会の中で、国、県、空港周辺市町及び空港会社が一体となって協議、協力していくべきであると考えております。

 次に、夜間飛行制限の緩和に対する見解についてでありますが、成田空港につきましては大規模な内陸空港であるため、航空機騒音などの環境問題に配慮し、カーフュー、いわゆる航空機の離着陸を禁止している時間帯として、深夜23時から翌朝6時までの間は原則として航空機の離着陸は行わないことを開港当初から地元と約束をしており、また、深夜22時台につきましても、A・B滑走路とも10便までとした便数制限が設けられております。

 このことにつきましては、平成25年3月から実施されているカーフューの弾力的運用に際し、四者協議会において、成田空港の離着陸制限(カーフュー)の弾力的運用に関する確認書について合意し、現行の成田空港の離着陸制限時間や22時台の便数制限を引き続き厳守するとともに、弾力的な運用が最小限となるよう航空会社の指導を強化すること、また、弾力的運用によってなし崩し的に運用時間が拡大することのないよう、23時以降に新たなダイヤを設定しないことを確認しております。

 一方、先ほど申し上げましたとおり、今後、首都圏空港の航空需要は増加傾向にあり、特に国際線需要については大幅な増加が見込まれておりますことから、首都圏空港の受け入れ容量が2020年代には限界に達する見込みとのことであり、現時点においても成田空港では、国際線の出発・到着が集中する時間帯については空港処理能力の限界までダイヤが設定されており、航空会社が希望する時間帯に就航できない事態が発生しているとのことであります。

 このようなことから、首都圏空港機能強化技術検討小委員会では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに実現し得る方策として、管制機能の高度化、高速離脱誘導路の整備とあわせて、夜間飛行制限の緩和についても技術的な選択肢の一つとして、昨年7月の中間取りまとめにおいて公表されております。

 また、先月3日に自由民主党成田国際空港推進議員連盟から、国土交通大臣と千葉県知事に提出された第三滑走路の整備をはじめとする成田空港の更なる機能強化の具体化に向けた決議においても、夜間飛行制限の緩和の具体化を図ることとされております。

 先ほど申し上げましたとおり、成田空港における夜間飛行制限につきましては、騒音地域にお住まいの方々の生活環境の保全の観点から、国と地元との間で確認された事項であり、極めて重い約束であると認識しておりますので、夜間飛行制限の緩和につきましては、今後、四者協議会の中で慎重に協議してまいりたいと考えております。

 次に、B滑走路延伸の推進に対する見解についてでありますが、B滑走路の延伸につきましても第3滑走路の整備とともに、首都圏空港機能強化技術検討小委員会が昨年7月に公表した中間取りまとめにおいて、2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降の成田空港の機能強化の方策の一つとして示されたものであります。

 今後につきましては、騒音地域の皆様の理解を得ることが肝要であることを前提として、第3滑走路の整備と同様に、成田空港のさらなる機能強化の方策の一つとして、四者協議会の中で、国、県、空港周辺市町及び空港会社が一体となって協議、協力していくべきであると考えております。

 次に、騒音対策についてでありますが、成田空港の機能強化は、国際競争力の強化や空港利用者の利便性向上につながるだけではなく、空港周辺地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域経済の発展にも大きな効果をもたらすものと期待する一方で、騒音地域の拡大や発着回数の増加に伴う騒音の増加、航空機からの落下物など、騒音地域にお住まいの方々の生活環境への影響も懸念されます。

 このようなことから、抜本的な移転対策や防音工事の充実などの騒音地域の環境対策、地域共生策につきましては、成田空港の機能強化と一体的に取り組まなければならない課題であると考えております。

 中でも、航空機からの落下物につきましては議会からも、平成25年3月のカーフューの弾力的運用の受け入れに際しまして、空港対策特別委員会として、今後様々な議論を進め、その中でデメリットを受けている騒音地域に、市として何をすることが必要かという政策提言をしていくとの申し入れをいただき、昨年3月の空港対策特別委員会においては、航空機からの落下物の根絶は難しく、根本的な対策として、騒音直下住民の希望移転を含めて検討していくとの考えが表明されております。

 本市といたしましては、落下物の危険を回避するための移転補償制度につきまして、飛行コース直下にお住まいの方々のご要望や実情を踏まえ、議員の皆様とともに課題や問題点などを整理し、千葉県を初め空港周辺市町との連携を図り、四者協議会においても発言し、議論を深めてまいりたいと考えております。

 次に、IRにおける市の見解についてでありますが、4月に特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるIR推進法案が国会に提出されております。本法案につきましては、昨年の衆議院解散により一度廃案になった経緯があり、今国会においても、他の重要法案の審議のためいまだ審議入りしておらず、法案成立は難しい状況となっております。

 IRは、高い経済波及効果、税収効果、雇用効果などが期待できますが、その一方で、カジノ部分に起因する不適切な団体の介入、犯罪の増加、ギャンブル依存症や青少年の健全育成への悪影響といったマイナスの面があることから、国おいて法案審議の過程で十分な議論がなされることが必要であり、その対応策が求められるところであります。

 このようなことから、国における議論を踏まえ、市民や議員の皆様の考えを十分伺った上で慎重に判断する必要があると考えております。したがいまして、今後も法案審議の動向を注視してまいります。

 次に、医学部新設についてのご質問にお答えいたします。

 まず、医学部の目指すべき姿についてでありますが、内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省の連名により7月31日に公表された国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針には、地域医療の充実という文言は明記されておりません。しかしながら、目的の項目において、国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針及び東京圏国家戦略特別区域計画素案に基づきと記載されており、東京圏国家戦略特別区域計画(素案)には、国内外の医療需要に対応した国際的な医学部の新設とうたわれていることから、本市といたしましては、新設される医学部については、地域医療にも貢献する医学部であると認識しているところであります。また、医学部開設の最有力候補と考えられる国際医療福祉大学といたしましても、医学部では国際医療協力や地域医療で活躍する人材の育成を目指すということでありますので、地域医療がなおざりにされることはないものと考えております。

 なお、新設される医学部の規模についてでありますが、国際医療福祉大学によれば、医学部の定員は140人とし、そのうち20人は特別国際枠として、大半は海外からの留学生を想定しているとのことであります。また、附属病院につきましては600床の規模で、ほぼ全ての診療科を整備し、外来患者2,000人にも対応できる施設とし、教員を含めた医師の数につきましては、最終的に450人程度を目指しているとのことであります。

 次に、今後のスケジュールについてでありますが、国家戦略特区における規制・制度改革につきましてはスピード感を持って実現していくこととされており、医学部新設につきましてもその例外ではありません。念願であった医学部新設が事実上認められ、最短スケジュール例として平成29年4月1日の開学が示されている以上は、その実現に向けて最大限努力していかなければならないものと考えております。

 また、附属病院設置のスケジュールについてでありますが、国際医療福祉大学からは、既存の病院や関連病院とも連携していくと伺っておりますことから、そのことも考慮して附属病院開設までのスケジュールが組み立てられているものと考えております。

 次に、医学部新設における経済波及効果の見込みについてでありますが、経済波及効果は千葉県の産業連関表から算出したものであり妥当なものであると考えておりますが、これはあくまで試算結果であります。今後、実際に医学部及び附属病院が設置されますと、市内において持続的に消費や雇用の効果がもたらされることとなり、将来にわたる経済効果は非常に大きなものと考えております。また、市内への経済効果の還流分とのことでありますが、本市には独自の産業連関表がないことや、医学部及び附属病院で使用される特殊な備品等を受注できる業者が限定されることなどから、成田市内に限定した経済効果を数値化することは難しいと考えております。

 次に、医学部新設に伴う費用負担についてでありますが、現在建設が進められている2学部5学科の施設及び整備には、千葉県から約3億7,000万円の補助金が交付される予定であります。この補助金は看護師養成学校の施設整備が対象とされていることから、医学部キャンパスの建設には利用することはできません。なお、施設整備に係る補助ではありませんが、医師養成に係る補助制度といたしまして、千葉県では医学を学ぶ大学生の方を対象に、将来千葉県で医師として働いてもらうことを目的とした修学資金貸付制度を実施しております。

 また、どのような判断基準をもって千葉県と額の折り合いをつけようと考えているのかとのことでありますが、本市の財政負担を軽減するためにも、補助金額につきましては可能な限りご協力をいただきたいと考えております。

 次に、附属病院の建設にあたり、なぜ別会社を設立する必要があるのかとのことでありますが、文部科学省の定める学校法人の寄附行為及び寄附行為の変更の認可に関する審査基準では、校舎その他必要な施設は申請者の自己所有でなければならない旨が規定されておりますが、例外として認可申請時までに賃貸借契約等が締結されており、開設時以降20年以上にわたり使用できる保証のあるものであれば、施設の借用も認められているところであります。国際医療福祉大学は、この制度を利用して、別法人により建設した施設を附属病院として借用することとしたものと考えております。

 また、附属病院を建設する別会社への出資に係る市の現状の考えについてでありますが、出資する額とそのメリット・デメリットを総合的に勘案して検討していく必要があると考えておりますので、大学との交渉を慎重に進めてまいりたいと考えております。

 次に、その他規制改革項目などにおける進捗状況についてでありますが、保険外併用療養の拡充につきましては、現在、東京圏国家戦略特別区域計画において、慶應義塾大学病院を初めとする6つの東京都内の医療機関で保険外併用療養の特例が認められております。本市といたしましても、保険外併用療養の拡充につきましては、未承認薬の使用や高度医療の受診により、より多くの命を救うことができるものと考えております。このようなことから、市内の病院においても保険外併用療養の特例が認められるよう、実施できる病院の要件の拡大を要望してまいりたいと考えております。

 次に、医療ツーリズムの受け入れを行うことが経済を活性化させることに大変有効であると考えているが市の見解はとのことでありますが、本市には国際空港が立地しておりますことから、附属病院が医療ツーリズムを推進していくことも可能であると考えております。しかしながら、本市といたしましては、まずは附属病院には地域医療の充実を図っていただきたいと考えております。

 

◆11番(雨宮真吾君) では、まず首都圏空港についてお伺いしていきたいと思います。

 一方では、アジアの台頭が出てきている。そして、その意味においては、羽田空港と成田空港、タッグを組んで戦っていかなければならない。そして一方で、今回、羽田空港の今度は台頭ということで、国内的な問題も抱えているという状況があるわけでございます。

 その意味においては、まさに今後、成田空港が選ばれる空港の救世主として、国交省からいらっしゃった吉田副市長に、ぜひこれからの成田空港がどのような形で選ばれる空港としてその強みを生かしていけるようにすればいいのか、どういうふうにお考えなのか、この見解を伺いたいと思います。

 

◎副市長(吉田昭二君) 成田空港が選ばれる空港として生き残っていくためにどのような強みを生かしていくべきかについてのご質問にお答えいたします。

 羽田空港への国際線就航により、首都圏の航空需要をめぐる状況は、これまでの役割分担関係から競争関係へと大きく変動いたしました。また、中国、韓国、台湾、香港を初めアジア地域においては着々と大規模国際空港の整備が進んでおり、アジアの航空需要についても厳しい競争状況にあるものと認識をしております。

 こうした競争下において成田空港が選ばれる空港となるためには、弱みを克服し、強みを生かすことが必要と考えます。空港もサービス産業であります。空港には、航空機の利用者とエアラインという2人のお客様がおります。航空機の利用者にとっては、余りに身近な例にて恐縮でございますが、主婦がスーパーを選ぶのと同じことでありまして、安い、近い、品ぞろえがよい、店員の対応ですとか雰囲気がよいということなどが空港を選ぶ際の判断要素になるというふうに考えます。

 羽田と成田の比較では、やはり都心から遠いことが成田の弱みでありますので、引き続きアクセス利便の向上に努めることが重要と考えます。一方で、安価なLCCの充実でありますとか、豊富な国際線の品ぞろえなどは大きな強みと考えます。また、空港の対応や雰囲気につきましては、荷物やパスポートのチェックがなくなったことでイメージが非常によくなったというふうに思いますけれども、エンターテインメント性の向上などには、まだ改善の余地があるように思います。

 それから、エアラインにとっては、航空需要、収益性、利便性、空港の地理的配置などが重要な判断要素になると思います。成田空港については、旺盛な航空旅客・貨物需要や世界103都市との豊富な国際線ネットワーク、LCCにより充実が見込まれる国内ネットワーク、それからアジアと北米をつなぐ好位置にあることなどは大きな魅力であると考えます。一方で、ピーク時間帯の渋滞、滑走路までの長いタキシング、飛行時間帯の制約、駐機場の不足、都心へのアクセスなどはやはりマイナスの要素になるものと考えます。

 成田空港が首都圏の航空需要を支え、引き続き日本の空の玄関として選ばれる空港であるためには、アクセス等の弱みを改善していくとともに、強みであるLCCネットワークの充実や豊富な国際線ネットワーク、特に北米とアジアとのネットワーク機能の強化が重要と考えます。そして、これらの強みや魅力を高めるためには、やはり第3滑走路の整備やB滑走路の延伸、夜間飛行制限緩和の慎重なる検討、これらに伴う諸施設の整備といったさらなる機能強化が必要であると考えます。こうした成田空港のさらなる機能強化につきましては、今後、四者協議会の中で、国、県、空港周辺市町及び空港会社が一体となって協議、協力していくべきであると考えております。

 

◆11番(雨宮真吾君) ぜひその手腕を十二分に発揮していただきたいなというふうに要請したいと思います。

 そして、その意味を含めて、まさに今回、私が質問に上げさせていただいている項目が全て盛られてきたなという気がいたします。その意味において、今回、市長からいただいた第一答弁では、そのあたりの意気込みまた意欲について伺うことがちょっとできなかったのかなという気がいたしますので、改めまして市長からこの3本目の滑走路を含めた機能拡充についての意欲と、また決意等あればお示しいただけないかと思います。

○議長(伊藤竹夫君) 小泉市長。

◎市長(小泉一成君) 成田空港の機能強化に関する私の意気込みまた決意ということでございますけれども、成田空港とともに成長してまいりました本市にとりまして、成田空港は雇用や経済面などからなくてはならない存在、また空港機能強化は先ほど答弁でも申しましたが、最大の地方創生だと思っております。

 しかしながら、成田空港は大規模な内陸空港でありまして、騒音・環境対策は避けて通ることができない重要な課題であります。市内の騒音区域には、約6,700世帯、約1万8,000人の方々が生活しておりますので、まずは騒音地域にお住まいの方々のお気持ちに寄り添った対策、そしてご理解、ご協力を得ることが肝要であると考えております。

 今後、成田空港のさらなる機能強化につきましては、四者協議会の中で、国、県、空港周辺市町、空港会社とが対等の立場で話し合うこととなります。私は、こうしたことを踏まえて、四者協議会の中で積極的に発言をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆11番(雨宮真吾君) ありがとうございます。近々四者協議会が開催されるということですので、その中での発言、注視していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、今回、21日の先日の会見の中において田村航空局長が、成田空港ではかつて国が一方的に建設を決めた歴史がある、しかし今はそういうことはなく、滑走路の増設が必要かどうか、必要であればどこにつくるのかなども含めて、パブリックインボルブメントのプロセスを使って住民参加で決めていく、仮に滑走路増設となってもゴーサインが出てから数年の環境アセスメントを経て着工となる、実現には相当時間がかかるので、検討を早めることは悪いことではないというような話が出ているんです。

 ここで、パブリックインボルブメントという表現が出てくるわけなんですが、直訳すると単純に住民参加というよりは、住民参画というような表現になるのかなという気がいたします。その意味においては、具体的にこれどういうことが想定されるのか。ちょっと調べてみると、パブリックインボルブメントの代表的なものを整理すると、代表者委員会の設置、そしてアンケートの実施、ホームページやパンフレットの作成、こういったものがパブリックインボルブメントの基本的な実施策というふうに想定されるとのことでありました。

 では、このパブリックインボルブメントはどんなものなんだということで、調べてみました。そうすると、どちらかというと一般的な手法について有効ではあるけれども、市民意識また認識の向上の効果はどうやら低いんだそうであります。その意味においては、先ほど来市長がおっしゃっているように、住民への直接的な説明というのが何よりも重要なんだろうなという気がいたしますので、このことについてはぜひ足しげく通っていただいて、理解を求めるように進んでいただきたいと思います。

 そして、その一方で、騒音地域の方々を最優先にすることは、私もそのように思います。ですが、全市的にこういったものについては、コンセンサスを得て物事に取り組んで進めていく必要があると思うんです。その意味においては、騒音地域だけにかかわらず、全市を巻き込んだ形でパブリックインボルブメントの実施、こういった流れの中での市民参加を図っていっていただきたいと思いますが、この点について見解を伺います。

 

◎空港部長(藤崎勇一君) 国土交通省に、航空局長の発言のその辺の真意を確認いたしましたところ、8月21日の記者レクにおきまして、成田空港のさらなる機能強化についての、滑走路増設が必要か、必要ならばどこにどのような方法で整備するのかといった点を含めて、パブリックインボルブメントのプロセスを活用いたしまして、住民参加の形で検討を進めていくことになるとの発言をされたということであります。そして、成田空港のさらなる機能強化については、これから四者協議会での議論が始まるところでありますので、どのような手順で検討が進められるのかは、今後、関係者で検討、調整していくものであるが、何らかの形で地域住民のご意見、ご理解をいただきながら、丁寧な議論を進めていくことが重要であるということを伺っております。

 こうしたことから、成田市といたしましては、今までも成田空港に係る経緯等から、その地域の住民団体である騒対協への説明を行って地域住民の理解を得てまいりましたけれども、やはり局長の言われているようなお話もございますので、まずは騒音地域の皆様の理解を得ることを基本にいたしまして、幅広く市民の皆様の理解を深めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆11番(雨宮真吾君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、今回、答弁のボリュームから考えても、空港部また当局として進めていくのは、やはり夜間飛行制限の緩和の方向に、これをまずは注力していくんだろうなという気がした次第であります。

 確かにこれ各エアラインから、従前よりは利便性は向上したという一方で、やはり中長期的というよりは、もっと早い段階でさらなる緩和をお願いしたいということでの発言が出ているというようなことでありました。また、当局からいただいた資料を確認させていただいても、今現在10時台10便という規制が結局9時台にも影響が出ていて、現在30万回が始まって、1時間当たりの枠が68回でしたか、すみません、数字を間違えていたらあれなんですが、68回飛べるのに、10時台の住民規制があるおかげで9時台が半分以下ぐらいになっているというような状況であるということで、現実的には10時台の10便が9時台に大きな影響をもたらしているということを思うと、このあたりについてもしっかりと精査をしていただきながら、コンセンサスをとっていただきたいなと思います。

 ただその一方で、前回、カーフューの弾力的運用を決定したこの期間が95日間だったんです、数えてみると。これは十分な説明が住民に行き届いたかというと、決してそうではないんだろうなというふうに思います。騒音地域の皆様方がいらっしゃって、その中での理解を求めた上で進めていかなければならない空港政策だからこそ、騒音下住民の皆様との信頼関係を瓦解させることのないように、引き続き尽力いただきたい。このあたりは要望とさせていただきます。先ほどのPI、パブリックインボルブメントの活用についても改めて検討していっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 では、医学部の新設について質問をしていきたいと思います。

 地域医療の貢献、このあたりについて何となくニュアンスが含まれているからということでのお話がありました。これについてはぜひ協定書を含め、どこかに一文必ず担保していただけるように、地域医療は必ず守るんだという、貢献するんだということで進めていっていただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきたいと思います。

 そしてもう一点、附属病院の教員、今回初めて450人規模の医師を含めた教員を集めるという発言が出ました。これだけの人数を集めていくというのは、相当な地域偏在をもたらすことになりかねないなという気がいたします。成田市に寄ってくるというのはありがたいことなんですけれども、他の地域に対してそういった医療偏在が起こることは、成田市としても決してこれは望ましいことではないというふうに思いますので、このあたりについては東北薬科大なんかは院長に、行っても大丈夫かというような届け出書のようなものを出させるだとか、いろいろな手配をとっているということでありましたので、そのあたりも地域の状況を確認しながら進めていっていただきたいというふうに思います。

 そして、先ほどの医学部の附属病院ができた場合、このあたりについては、市外の関連病院に当面は臨床実習先として充てていくんだということでありましたが、成田市にも十分病院はあるわけです。その意味では、早い段階から市内の病院との連携を図って、実習生を送り込んでいくとか、そういったような連携を図っていっていただきたいと思いますが、このあたりについて見解を伺います。

 

◎企画政策部参事(宮田洋一君) 臨床実習先となる病院につきましては、必要に応じまして、市内病院との連携も視野に入れて検討してもらえるよう、大学のほうに申し入れていきたいというふうに思います。

 

◆11番(雨宮真吾君) 9月に開院した徳洲会病院、これは二次救急を担うというふうに伺っております。その意味においては、今回の大学附属病院は地域貢献を果たすとのことでありますが、救急医療についても担っていただけるのか、このあたりについて伺います。

 

◎企画政策部参事(宮田洋一君) 9月6日に行われました国際医療福祉大学と成田市医師団との意見交換会の場では、国際医療福祉大学から救急医療について、その考え方も説明がございました。大学といたしましては、地元医師会の意見を聞いて、地域に必要とされる救急医療の体制を検討していきたいということでございました。

 

◆11番(雨宮真吾君) ぜひよろしくお願いします。

 続いて、時間もないので要望ばかりで大変恐縮なんですが、要望させていただきます。

 市内業者への優先的な発注ということで、これは特別委員会の中でも再三再四、私は発言させていただいてまいりました。実際、今建設中の大学のほうにも行かせていただいて直接話もさせていただきました。そうすると、どんどんぜひ来ていただきたいという温かい声をいただきました。市内の業者の皆さんがそういう機会をつくっていただけるなら、こちらとしても市内で完結できる業務があるならぜひお願いしたいんだというお声をいただいたんです。一方で、市内の事業者さんがそういった情報を知らないという事実がありましたので、このあたりについてはやはり行政の出番だなというふうに思うんです。

 ですから、公共事業ではないまでも、公共性の高い事業であることに変わりはないわけですから、このあたりについては、例えば市内でお願いできるような業務のリスト化をしていただくことを大学側にお願いして、そしてそれを市内の事業者に配布していくような、そういった形でのかかわり方、こういったことを含めて、可能な限り市内に対して落とし込んでいけるような体制のあり方を模索していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 そして、市の支出の部分について、キャンパスの設置については160億円、そのうちの半額である80億円を県と分けていくという話がありました。その意味においては、県とどういうふうに折り合いをつけていくのか。確かに議会があることですので、難しいのかもしれません。ですが、現実的に考えていったときに、通常の考え方でいけば、やはり国の直轄事業の基本的な考え方、事業者が半分、ですから80億円を大学が払う。これはまずいいと思うんです。あと、県が4分の1、関係市町村が4分の1というのが基本的な国の直轄事業のあり方だったりするわけです。そうすると、やはりそのぐらいを一つの基準として私は捉えていくべきではないのかなという気がしております。

 そして、先日の東北薬科大の件についても、宮城県が30億円を支出しているんです。ですから、この30億円、少なくとも、そしてこの30億円から40億円というこのあたりが一つの基準になり得るのではないかなと思うんですが、答えにくいと思うんですが、ぜひそういう意味において、1億円しか出ないのか、はたまた40億円出るのかとなると成田市の支出が大きく変わるわけですから、このあたりについてはどういう基準を持ってやるのかということについてちょっとお伺いしたいんですが、もう少し重要なことがあるんです。それは要望としておきますので、よろしくお願いいたします。

 昨日もちょっと話が上がっておりました。この160億円のキャンパス費については、どうも30億円というのが「等」という表現がついていて、キャンパスの設置等ということで、設備費というのが含まれています。このあたりについてなんですが、改めて医療大学への補助については、備品等に係る経費、これは補助対象外となっていると思うんですけれども、今回の医学部についてもこうした経費が含まれるのか確認させてください。

○議長(伊藤竹夫君) 宮田企画政策部参事。

◎企画政策部参事(宮田洋一君) 今回の医学部の補助につきましては、建設費の他に医学部の教育に必要な医療設備につきましては、補助対象にしたいというふうに考えております。

 

◆11番(雨宮真吾君) つまりは、今回の箱物をつくっただけで医学部にはなり得ないんだと、医学部に必要な機材を整えるためにその部分を補助したいということであって、あくまでも医療大学に対して出さなかったものを改めて出すような手法ではないということでの確認をさせていただきました。

 もう一個懸念されることがあるんですが、固定資産税です。今回、学校法人ということであれば、附属病院に対して固定資産税を払う、課税するということはないんでしょうけれども、今回の建て方が特徴的でありまして、別会社を立ち上げて建設して、大学側がこれを賃貸する形でやるという意味においては、固定資産税は当該の会社に対して課税すべき事案になってくるのかという気がいたしますが、このあたりについてはどうお考えなのか伺います。

 

◎企画政策部参事(宮田洋一君) 学校法人が所有する附属病院につきましては、ご指摘のように固定資産税は非課税となります。一方で、今回計画されている附属病院につきましては、別会社が建設を行い、この会社につきましては、ただいまのスキームも含めまして関係機関と協議をしておりますので、課税対象となるのかどうかも定かではない状況でございます。

 

◆11番(雨宮真吾君) 企業誘致条例のようなものもありますので、このあたりはもらった分は返すとか、うまくやることはできるのかなという気がいたしますが、改めてこのあり方については精査が必要だろうという気がいたしますので、今後の課題になると思いますので、このあたりについてはよろしくお願いいたします。

 そして、附属病院の出資についてであります。

 今回、20億円の出資を求められているということでありました。その意味においては、ただ私立病院に対してこの出資をしていないのに対して、今回出資するとなると、改めてこれはどうしても不公平感、これを生むことになると思います。その意味であれば、やはり利益を生み出す施設であることに変わりはないわけですから、このあたりの出資のあり方については、これから鋭意議論していきたいと思いますが、ぜひこのあたりについても、我々はこういうことを踏まえているんだということを捉えた上で、今後の検討に加えていっていただきたいと思います。

 要望ばかりになってしまいましたが、もう少し時間があればよかったかなという気がいたしますけれども、以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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